仕上げ磨きいつまで?どんなやり方が良い?
こんにちは、はばたき矯正・こども歯科 院長の北見です。
お子さんの「仕上げ磨き」、大変ですよね。
小さいときは嫌がって暴れたり、成長してくると恥ずかしがって口の中を見せてくれなかったり・・・。
「自分で磨いているみたいだし、もういいかな。」となんとなく思ってしまうのは、よくわかります。
でも結論から申し上げれば、仕上げ磨きは小学校6年生までは続けてほしいと思っています。
今回はその理由と、続けるコツについてお話したいと思います。
仕上げ磨きが必要な理由
①ハチマキを頭の後ろで綺麗にリボン結びできますか?
皆さんはハチマキを頭の後ろで綺麗にリボン結びできますか?
いつぐらいに頭の後ろで左右対称に綺麗に結べるようになったでしょうか?
頭の後ろと同じように、口の中は直視ができません。歯磨きする際は、歯ブラシを持つ手の感触と毛先が触れる歯ぐきや舌の感触、鏡で見える一部の範囲でしか磨いていることを認知できません。
器用な大人ですら完璧に歯磨きを行うのはほぼ不可能ですので、大半の小学生にとって手と口の中の感覚だけで的確に歯ブラシを当てることは、とても難しいことだと考えられます。
口の中を直接見て行える仕上げ磨きは、むし歯を予防するための確実な方法のひとつなのです。
②歯の生え変わりは12歳ころまで続く
乳歯は意外と長く使います。最後の乳歯が抜けるのは平均で12歳頃です。
6歳臼歯と呼ばれる大人の奥歯と、上下の前歯4本ずつが永久歯に生え変わるのが小学校低学年の頃です。
残りの乳歯が生え変わるのは小学校高学年であり、前歯と奥歯の中間のエリアが大人の歯に代わっていきます。
さらに乳歯が抜け終わる12歳ころ、6歳臼歯のさらに後ろに7番目の歯が生えてきます。
親知らずを除けば一番奥の歯ですので、意識しない限り見えることはなかなかありませんが、かみ合わせを支える大事な奥歯です。
12歳までの生え変わりの期間は、出始めた永久歯の高さが低く歯ぐきがかぶっていたり、周りの歯と段差があるなど、でこぼこしていて特に本人だけでは磨きにくい期間です。
③出てきたばかりの永久歯は「まだ弱い」
生え変わりで出てきた永久歯は、実は表面が完成しておらず「まだ弱い」状態です。幼弱永久歯と呼ばれることもあります。
この時期の歯はむし歯に対して弱いため、あっという間にむし歯が進行しやすい状態です。
④乳歯のむし歯は永久歯に影響する
12歳まで残る乳歯は特に奥歯に近く、むし歯の発見も遅れやすいため重症化したケースもよく見かけます。
乳歯のむし歯を放置すると感染が広がり、永久歯や成長発育に大きな影響を及ぼします。
①永久歯がうまく作られなくなる
②歯並び・かみ合わせが悪くなる
③顎の発達を妨げる
④永久歯のむし歯リスクが高くなる
⑤口腔習癖を引き起こす
詳しくは以下の記事も併せてご覧ください。
⇒乳歯のむし歯、どうせ抜けるからいいんじゃない?(ダメです。。。)
仕上げ磨きのコツ
①ポジティブな声掛けで楽しい雰囲気を
小さいうちの仕上げ磨きは「お口あけるの上手~!よく見える~!」「自分でも頑張って磨けたね!」など、ポジティブな声掛けをしてあげてくださいね。
仕上げ磨きがスキンシップにもなりますので、楽しいコミュニケーションを心がけると生え変わりとともに成長を感じられる時間となるでしょう。
②むし歯になりやすいところ(上の外側・下の内側・歯と歯の間)を重点的に
イヤイヤ期などで難しいときは、むし歯になりやすい場所だけでも重点的に行っていただくのも良いかもしれません。
機嫌がよさそうなタイミングに分けて行うのも良いですね。
小学校高学年になると、自分でしっかり磨けるようにもなってきますので、より磨きにくいところをまさに「仕上げる」意識で行うと効果的です。
③生え変わりで段差があって磨きにくい場所は、ブラシを当てる方向を変えてみる
永久歯がまだ半分歯ぐきに潜っていたりして段差が大きい場合は、歯ブラシを横方向に動かしてもうまく当てられません。
そんなときは歯ブラシを縦方向や斜め方向に細かく動かしてみると磨きやすい場合があります。
④寝る前の仕上げ磨きを丁寧に
寝ている間は唾液が少なくなるため、むし歯菌の活動が活発になります。
1日3回適当に歯磨きするよりも、寝る前の歯磨きを念入りに丁寧に行っていただくほうが、予防効果は高まります。
⑤子どもに使いやすく、予防効果の高いケアグッズを使用する
歯と歯の間は歯ブラシでは届きにくいので、柄がついた子供用のフロスを使うと簡単にきれいにしやすくなります。
また、子どもが好きな味のフッ素ジェルを、仕上げ磨きの際に歯の表面に塗るように使ってもらうと、とても高いむし歯予防効果が得られます。
フッ素の正しい効果的な使い方については、下記の記事をご覧ください。
おわりに
保護者の皆さんは毎日忙しいなか、お子さんに精一杯の愛情をもって接していることと思います。
でも「歯を磨きなさい!」といったところで、痛くもない歯を磨く意味なんて小学生には中々理解できません。
お子さんの一生ものの大事な歯を守るため、ここはぜひ、子どもの責任ではなく大人の責任として仕上げ磨きのご協力をお願いしたいと思います。
成田市公津の杜の歯医者、はばたき矯正・こども歯科は、小さな子どもから大人まであらゆる世代の予防歯科に力を入れています。
「歯を大事にしたい」と思う皆さまのサポートをいたしますので、お気軽にご相談ください。
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