金属アレルギー
- 皮膚科との連携
診断を行った皮膚科医と連絡を取り合い、アレルギー検査であるパッチテストの結果を共有します。 - 原因金属の除去
パッチテストでアレルギー陽性となった金属をお口の中から除去します。
歯科金属アレルギーと皮膚症状の関連は複雑ですが、除去金属が皮膚症状の大きな原因であった場合、除去時に微量に体内に取り込まれる金属により一時的に皮膚症状が悪化することがあります。 - 歯のかぶせ物治療
金属の除去を行った歯のかぶせ物治療を行います。
この場合、アレルギー陽性金属は使用できませんので、アレルギー陰性金属またはセラミック等の金属以外で治療を行います。 - 症状の確認
皮膚科医へ原因金属除去の報告を行い、皮膚症状の変化について情報共有を行います。 - お口の診査
お口の中を診査し、歯科治療の計画を立てます。 - 皮膚科への紹介
皮膚科にて皮膚症状の精査を行ってもらいます。
この際、必要に応じて皮膚科医の判断でアレルギー検査を行うことになります。 - アレルギー検査の結果を共有
皮膚科でのアレルギー検査結果をもとに、改めて歯科治療計画を立てます。 - 処置
お口の中にアレルギー陽性金属がある場合は、金属の除去を行います。
また、これから治療を行う歯についてはアレルギー陽性金属を使用しない方法で歯科治療を行います。
金属アレルギーは金属に接触したり、金属元素を摂取したりすることで発症するアレルギーです。一般的にはアクセサリー等が原因と考えられていますが、歯科治療において使用される金属によっても稀に金属アレルギーが引き起こされることがあります。このように歯科治療に関連する金属によって引き起こされる金属アレルギーを歯科金属アレルギーと呼びます。
はばたき矯正・こども歯科では大学病院での歯科金属アレルギー治療の経験を活かし、皮膚科の医師と協力して歯科の観点から歯科金属アレルギーの治療に取り組んでまいります。
歯科医院ではアレルギーの原因金属の除去を行います。皮膚症状については皮膚科の治療範囲となり、歯科医院では処置を行うことが出来ませんのでご理解ください。
症状の特徴
歯科金属アレルギーの症状には以下のようなものがあります。
皮膚反応
歯科金属アレルギー関連疾患として皮膚炎、掌蹠膿疱症、扁平苔癬などが報告されています。
金属と接触していない掌、足の裏などに症状が出ることがあります。
口内炎
口腔内に金属が触れることによって、口内炎や舌の炎症を引き起こすことがあります。
金属アレルギーは個々の体質や健康状態によって発症するかどうかに大きな差があり、発症過程は大変複雑です。 歯科治療で使用される金属の場合は、その金属が溶け出して唾液などに混ざり体内に取り込まれるため、接触部位だけでなく手、足、体幹に症状が現れることが多く見られます。
掌蹠嚢胞症などの歯科金属アレルギー関連疾患の発症メカニズムは未だはっきりわかっていません。
治療の流れ
皮膚科での皮膚症状・金属アレルギーの診断がある場合
金属アレルギーが心配だが皮膚科での診断がない場合
これまで皮膚科でのアレルギー検査をしたことはないが、アクセサリーなどで金属アレルギーのような皮膚症状があり、金属を使った歯科治療が心配な患者さんの治療の流れは以下の通りです。