母乳とむし歯の関係 卒乳が遅くなるとむし歯になるの?
こんにちは、はばたき矯正・こども歯科 院長の北見です。
授乳されているお母さん、お疲れ様です。
母乳は赤ちゃんにとってなくてはならないものですよね。そして、生後半年くらいからは離乳食が始まりますが、平均的には1歳半~2歳頃までは母乳育児を続ける方が多いようです。
WHO(世界保健機関)でも、2歳になるまでは母乳育児を続けることを推奨しています。
一方で、離乳食が始まる生後半年ごろからは乳歯が生え始め、3歳頃に乳歯が出そろうようになります。
「卒乳が遅くなるとむし歯になりやすい」と聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は母乳と乳児のむし歯について、お話していきたいと思います。
母乳とむし歯
卒乳が遅いとむし歯が多いことは疫学的には明らかであるとされています。
しかしそれは、母乳がいけないのでしょうか??
むし歯は、口の中の細菌が「糖を分解して酸を作る」ことで、歯が溶かされる現象です。
母乳には乳糖という糖の一種が含まれていますので、細菌の栄養源になり得ます。しかし、母乳に含まれている乳糖のみであれば、濃度が低いためむし歯の直接的な原因にはならないといわれています。
つまり、母乳そのものが悪いのではなく、離乳食との組み合わせでむし歯のリスクが上がるということです。
大切なお子さんの歯を守るには、卒乳そのもののタイミングよりも、母乳と離乳食、どちらも含めた「食生活の管理」が大切です。
夜間授乳について
むし歯の成り立ちから考えると、口の中に糖分が留まる時間が長く、頻度が多いとむし歯のリスクは高まります。特に夜間授乳は唾液の分泌が減る時間に重なるため、非常にむし歯リスクが高まることで知られています。
「寝かしつけは授乳しながらじゃないと厳しい…」「授乳がないと夜泣きがすごくて…」というお話もよく聞きます。現実問題として、すごく大変ですよね。
誰しもいつかは卒乳する必要がありますので、むし歯リスクを小さくするにはできるだけ早く卒乳に向かってチャレンジするべきであることは言うまでもありません。
ただし、卒乳のハードルが高いのであれば、卒乳するまでの間に気を付けるべきポイントを覚えておくことも重要です。
寝る前のケアを重点的に
母乳に含まれる乳糖だけであれば、むし歯リスクは高くありません。離乳食に含まれる糖分がむし歯の主な原因となるのです。
夜間授乳を避けられないのであれば、寝る前に離乳食に含まれる糖分(食べかす)を口の中に残さないことです。
赤ちゃんの様子を見て工夫をしながら歯磨きをしましょう。
もしまだ歯が生える前の段階なら、口の中に異物が入ることに抵抗が少なくなるよう、ガーゼで口の中を拭うなど早いうちに慣れさせるのも良いでしょう。
出てきた乳歯をフッ素(フッ化物)で強くする
歯磨きの際にフッ素入りのジェルを応用するのも有効です。
フッ素は使用量を適切に守れば、赤ちゃんから使えるむし歯予防の強い味方です。
フッ素の正しい使い方は下記の記事をご覧ください。
おわりに
乳歯は使い捨てではなく、正常な成長発育に大切な12歳まで使う立派な歯です。
乳歯のむし歯は進行が早く、むし歯にならないようなにより予防が肝心です。
離乳食が始まったらできるだけ早く、歯のケアをしていただく必要があります。
食習慣が安定するまではケアが難しいこともありますので、ぜひポイントを押さえて乗り越えていただきたいと思います。
⇒乳歯のむし歯、どうせ抜けるからいいんじゃない?(ダメです。。。)
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マットの上で寝転んで診察できる「ごろりん診療室」も完備し、赤ちゃんのうちから安心して相談いただける環境づくりに取り組んでいます。お気軽にご相談ください。
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