「フロス」ってやらないといけないんですか?
こんにちは、はばたき矯正・こども歯科 院長の北見です。
「Floss or Die(フロス オア ダイ)」という言葉をご存じですか?
「フロスをするか、しないで死ぬか?」という意味のちょっと怖い言葉ですが、これは1998年にアメリカ歯周病学会が発表したキャッチコピーです。歯周病にならないためにフロスを使いましょうということなのですが、それだけ「フロス」が日常の歯のケアで重要であるということを表しています。
みなさんは歯磨きの時、フロスを使っていますか?
ドキッとしたそこのあなたに、今回はフロスのお話をしていきたいと思います。
ハブラシだけでは取れない汚れがある
フロスが必要と言われる理由は、ハブラシだけでは汚れが落とせない場所があるからです。
一般的にハブラシで除去できる歯垢(歯の表面にくっつく細菌の塊)は全体の60%程度と言われています。
この理由は、歯と歯の隙間までハブラシで磨くことは難しいことに由来します。
歯垢は細菌が集合体を作って表面にバリアの膜を張っています。排水溝のヌメリと同じです。
歯垢のバリアは非常に強力で、うがい程度ではびくともしません。除去するにはハブラシなどで物理的に擦って落とすほかありません。
ハブラシが届かない部位はフロスや歯間ブラシなど補助用具を使うしかないのです。
余談ですが、水を勢いよく吹き付けるウォーターピックや、うがい薬など、歯垢を除去する補助ケアグッズは他にもたくさんありますが、効果は限定的です。
排水溝のヌメリを取るとき強力な漂白剤などを使いますよね。
あんな強い薬剤は口の中で使えません。口の中を傷つけないレベルの薬剤は細菌にとってもやさしいのです。
そもそもフロスって何?
フロス(デンタルフロス)は、細く柔らかいナイロンのフィラメント(とても細い繊維)をより合わせて作られている歯間清掃用具です。ハブラシが届かない歯と歯の間にフロスを通すことで、たまった歯垢を取り除くことができます。
フロスにはいくつか種類があり、糸のみを適当な長さに切って使用するものと、糸のこぎりのような形で持ち手の先端に糸が張ってあるタイプのものがあります。どちらも歯垢の除去しやすさに差はありません。
また糸にワックスが塗られているものと塗られていないもの(アンワックスタイプ)があります。ワックスが塗られたタイプは歯間部に出し入れがしやすいため扱いやすいですが、アンワックスタイプのほうが歯垢の除去効率は高いです。好みに合わせて選んでみてくださいね。
フロスでわかるお口のトラブル
むし歯は歯と歯の間から発生することが多いため、フロスを使用すればむし歯の予防効果が格段に高まることは言うまでもありません。
しかしフロスは、むし歯を予防するだけではなく見過ごしやすい問題を早期に見つける助けにもなるのです。
①フロスが匂う
使ったフロスが匂う場合、それは口臭です。
口臭は自分では気づきにくいものですが、口臭の原因(=歯垢)を口の外に出して嗅ぐことにより、口臭の有無を明確に感じ取れます。
②フロスに血がついている
歯肉炎・歯周病の疑いがあります。歯ぐきが炎症を起こしており、軽い刺激でも出血してしまうほど弱っている状態です。
放置すれば歯を支える骨まで溶ける怖い病気です。
③フロスが引っかかる・ちぎれる
むし歯がある、もしくは詰め物やかぶせものに不具合が出てきている可能性があります。
歯と歯の間にむし歯がある場合、穴が開いているためフロスが引っかかることがあります。
また、詰め物やかぶせものが劣化し、段差が大きくなっている場合もフロスが引っかかる場合があります。
段差があるということはそこに汚れ(歯垢)がたまりやすいため、結果としてそこからむし歯が再発します。
おわりに
フロス使ってみようかな、と思っていただけたでしょうか?
フロスを普段から続けている方からすると、「クセになっているから、むしろフロスしないと気持ち悪い」と感じるほど気持ちの良いものですよ。
毎日のセルフケアの積み重ねは、20年後に大きな差として現れてきます。簡単なところからでも良いので、ぜひ日常のケアに組み込んでいただきたいと思います。
成田市公津の杜の歯医者、はばたき矯正・こども歯科は、生涯を通じて健康に過ごしてもらうためのお口のサポートに力を入れています。
それぞれのお口の状況に沿った歯磨きの仕方や、食生活の改善点などについてもご相談いただけます。お気軽にご相談ください。
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